毛穴に皮脂は詰まることはない
人の体が分泌する皮脂は体の保護膜の役割を果たしている脂です。
脂ですから液体です。液体が穴を塞ぐことはあり得ないので、毛穴に皮脂が詰まることも塞ぐこともあり得ないのです。
また、人の体温は36度以上ありますから、分泌される脂=皮脂が固まることもないので、毛穴の奥底に溜まったり固まったりすることもないのです。
そんなことがあったら、人は生きていません。
皮脂の役割とは
人が分泌する皮脂には、乾燥から守る保護膜としての役割があります。
それ以外に次ぎのような役割があります。
- 乾燥から人の体を守ります。気温が上がる時は皮脂の分泌が増え、気温が下がる時は皮脂の分泌が減ります。
- 皮脂を餌とする皮膚常在菌の働きにより、皮膚表面を弱酸性にしてウイルスや細菌の繁殖を防いでいます。人と皮膚常在菌は共生関係にあるのです。
- 乾燥しないように保護しているとともに、保湿作用もあります。
- 体の内部から外に向かって分泌されることで、異物の侵入を防いでいます。
皮脂を取ると皮脂が増える
人の体を守る為に必要な保護膜なので、皮脂を取ると再度分泌されます。
これを習慣的に繰り返していると皮脂の分泌が自然に増えてしまい、洗髪しているのに脂っぽい頭皮になってきます。
皮脂を取ることが薄毛の原因になる
皮脂は人の体を守る保護膜なので、取ると再度分泌されます。
それを繰り返していると皮脂の分泌も増えてきますが、保護膜を取ることを繰り返しているので皮膚が弱ってきます。
皮膚が弱ると毛細血管への血行・血流も弱ってくるので毛の生育も悪くなってくるのです。
その上皮脂には毛の生育に必要な成分も含まれていることを忘れないで下さい。
皮脂を取るのが皮膚トラブルの元
皮脂は体の保護膜ですから、取ることを続けていると皮膚に異常が出てきます。代表的な皮膚トラブルをあげておきます。
- 皮膚の保護膜なので取ることを続けていると、角質層まで痛めることになりフケ症になりやすい。不潔にしているからフケが出ているのではなく、清潔にしているからフケ症になっているのです。
- 頭皮が荒れてくるので、乾燥しているような痒みを感じやすくなります。
- 皮脂の分泌を促すので洗っても脂っぽくなってきます。
- 皮脂の分泌が増えるので、皮脂を餌とする皮膚常在菌の繁殖が激しくなり、その排泄物が匂うようになります。清潔にしているから脂っぽくて頭皮が匂うようになるのです。
- 動物性の脂の多い食習慣や添加物の多い食習慣・火の通った植物油(揚げ物・炒め物)の食習慣の人が多く、かつ抗酸化物質(季節の野菜や果物)の摂取量が少ない人が多いので、ご自分の分泌する皮脂が活性酸素の影響で酸化しやすくなります。皮脂の分泌の増えた人は過酸化脂質化した皮脂が皮膚に残るので、炎症を起こすことになります。
- 上記の症状が悪化すると、難治性の皮膚疾患である脂漏性湿疹・皮膚炎を発症することもあります。こうなると、頭皮が脂っぽくなり、ひどいフケ症で痒みもひどく、炎症を起こし、大量の抜け毛に悩まされることになります。
皮膚トラブルの多くは、皮脂を取るケアが始まりであることが多いです。