皮脂とは?
皮脂とは皮膚の保護膜であり人の体が分泌する自然の保湿剤です。人の体を守る保護膜と言えます。
- 皮脂はワックスエステル・トリグリセリド・脂肪酸などにより構成される。表皮において汗などの水分と混合・乳化し表面脂肪酸を形成して表皮をコーティングする(皮表膜)
- この膜はpH4~6の酸性を示し、殺菌作用を有する。このように皮表膜と遊離脂肪酸によって、有害物質の侵入と感染を防御するのが、皮脂および脂腺の重要な働きの一つである。
- また、皮脂は皮膚の不感蒸泄(わたしたちが感じることなく皮膚や粘膜、呼気から蒸発する水分のこと)の抑制や保湿作用を有し、角層の水分保持に役立っている。
(上記は「あたらしい皮膚科学2版」より抜粋)
皮脂には以下の3つの役割があるのです。
- 皮膚の保護膜
- 殺菌作用と有害物質の侵入とウイルスや細菌の感染の防御作用
- 保湿作用
なぜ皮脂の分泌が増えるか?
上記の通り、皮脂は人が生きていくには必要な分泌物です。
だから、皮脂を取れば保護膜を形成する為に再度分泌されます。それを毎日繰り返していると自然と皮脂の分泌が増えるようになるのです。
シャンプー(石鹸シャンプー含む)で、毎日清潔に綺麗に頭皮を洗っていると、常に皮脂が不足しますから、自然と皮脂の分泌が増えるようになるのです。
男性ホルモンが皮脂の分泌を増やすようですが、その影響よりシャンプーでの洗い過ぎの方が皮脂の分泌を増やしている原因になっています(育毛相談室で男性の頭皮を見ている限り)。
どんなシャンプーが良いか?
皮脂の分泌を促さないシャンプーはないと思った方が良いです。
問題はシャンプー自体よりもシャンプー方法=洗い方に問題があることがほとんどです。
シャンプーに関しては、脂分を落とし過ぎない=界面活性作用の弱いものをご使用下さい。
頭皮の匂い(臭い)・フケ・かゆみは皮脂を取るから
頭皮のトラブル=匂い(臭い)やフケ・かゆみ・脂っぽいは、皮脂を取る習慣を続けてきたからです。
匂い(臭い)・フケは不潔だから出ているのではなく、皮脂を取って清潔にする習慣を続けてきたからです。
皮脂を取って頭皮を清潔にする洗髪方法は、皮脂の分泌を促します。増えた皮脂はストレスや紫外線・農薬・添加物に対する活性酸素により過酸化脂質化しやすくなり、皮脂が酸化することで異臭を発するようになるのです。
皮脂を取ると皮膚常在菌のバランスが崩れる
皮膚には皮脂や汗を分解して皮膚を弱酸性に維持する善玉菌の表皮ブドウ球菌・アクネ菌や病原性が強く皮膚炎を起こす悪玉菌の黄色ブドウ球菌が存在しています。
頭皮が酸性の時は善玉菌が優勢になっているので、悪玉菌は存在しているだけですが、皮膚常在菌のバランスを壊す行為があります。
それが頭皮の皮脂を取って清潔にする行為。
皮脂を取るから頭皮が匂う(臭う)
頭皮の皮脂を取り清潔にすると皮脂が再分泌されるまで酸性ではなくなります。
酸性でない環境では悪玉菌=黄色ブドウ球菌が繁殖しやすくなるのです。
酸性でなくなり悪玉菌の繁殖が増えて、悪玉菌の分泌物が匂う(臭う)ようになり炎症を起こすことにもなるのです。
皮脂を取るからフケが出てかゆくなる
皮脂を取って清潔にしていると、洗った時は綺麗になりますが皮膚の角質層を削り取ることになるので、皮膚表面が削れて痛みます。
それがフケとして剥がれ落ちてくるようになり、皮膚表面を痛めているのでかゆみも出てくるのです。
薄毛の最大の原因は皮脂を取ること
皮脂は人の体を守る為に大事な保護膜であり保湿剤でもあります。
皮脂を取ることが習慣になっているから、頭皮にトラブルに出て、頭皮が痛んで弱って血行が悪くなって薄毛にもなっていくのです。
薄毛を治すなら、皮脂を取る行為を止めることが優先順位一位です。